森林経営管理制度とは
森林の経営管理の現状と将来像
国内の森林は、戦後や高度経済成長期に植栽されたスギやヒノキなどの人工林が大きく育ち、木材として利用可能な時期を迎えています。
利用可能な森林が増えていくことで、国内で生産される木材も増加し、木材自給率も上昇を続け、令和6年には令和5年に引き続き高水準となる42.5%となるなど、国内の森林資源は、「伐って(きって)、使って、植えて、育てる」という森林を循環的に利用していく新たな時代に入りました。
一方で、我が国における森林の所有形態は小規模で分散しているほか、長期的な林業の低迷や森林所有者の世代交代等により森林所有者の森林への関心が薄れ、森林の管理が適切に行われない、伐採した後に植林がされないという事態が発生しています。
森林の適切な経営管理が行われないと、災害防止や地球温暖化防止など森林の公益的機能の維持増進にも支障が生じることとなります。
加えて、所有者不明や境界不明確等の課題もあり、森林の管理に非常に多くの労力が必要になるといった事態も発生しています。
このような中、適切な経営管理が行われていない森林の経営管理を、林業経営者に集積・集約化するとともに、それができない森林の経営管理を市町村が行うことで、森林の経営管理を確保し、林業の成長産業化と森林の適切な管理の両立を図ることとしています。
森林経営管理制度とは
森林を大切な資源として管理し守っていくために平成31年に「森林経営管理制度」がスタートしました。
この制度では、森林の経営管理が行われていない森林を市町村が仲介役となり森林所有者と民間事業者をつなぐことで適切な経営管理をおこないます。
これにより
- 放置された森林が経済ベースで活用され、地域の活性化につながる効果
- 森林の多面的機能が向上し、土砂災害等の発生リスクが低減され、地域住民の安全・安心につながる効果
などが、期待されます。
森林経営管理制度の概要
経営管理を行う必要があると考えられる森林について、市町村が森林所有者の意向を確認後、森林所有者の委託を受け、民間の林業経営者に再委託するなどにより、林業経営と森林の管理を実施する制度です。

令和7年の法改正において、「林業経営に適した森林」に係る集積・集約化を迅速に進められるよう、「集約化構想」制度が新設され、地域の関係者で話し合いをし、集約化の方針や受け手となる林業経営体をあらかじめ決めることにより、林業経営体への権利設定が行いやすくなりました。
森林所有者の皆様方へは市町村による意向調査等が行われていますのでご協力をお願いいたします。

多様で健全な森林の整備のイメージ
- 自然条件などが良く林業経営に適した人工林は、森林経営の集積・集約化、路網整備を進めて、林業的利用を積極的に展開します。
- 自然的条件に照らして森林経営に適さない人工林は、公益的機能の持続的発揮に向けた複層林化等により針広混交林(スギや広葉樹が混じり合った森林など)等へ誘導します。
森林経営管理法の対象森林と責務
対象となる森林
- 森林経営管理法の対象となる森林は、都道府県知事が定めた地域森林計画の対象森林で「経営管理が行われていない森林等」とされています。
- 「経営管理が行われていない森林等」とは、水源涵養機能、木材生産機能、生物多様性保全機能等の森林の多面的機能の発揮のために必要な経営管理が長期間にわたって実施されておらず、又は相続等により経営管理への関心が低位な森林所有者へと所有者が交代することにより、今後行われなくなるおそれがある森林を指します。
経営管理が行われていない森林等の基準の目安(参考)
| 樹齢等 | 状態 |
|---|---|
| 1齢級 (1~5年生) |
造林届※ に基づいて植栽したにもかかわらず、造林届に記載された植栽本数に比べて残存本数が減っている。(造林届に記載された植栽本数のおおむね75%以下等) など、このままでは成林しないおそれがある場合。 |
| 2~4齢級 (6~20年生) |
除伐等が不十分であり、植栽木が植栽木以外の樹木等に被圧されている場合。 |
| 5~標準伐期齢 (21年生~) |
間伐が一度も行われていない、または最後に行った間伐から10年以上経過するなど、市町村森林整備計画に定められた標準的な施業方法を実施しておらず、林分が過密化している場合。 |
| 標準伐期齢以上 | 最後に行った間伐から15年以上経過するなど、市町村森林整備計画に定められた標準的な施業を実施しておらず、林分が過密化している場合。 |
(「森林経営管理制度に係る事務の手引き(林野庁計画課)」より抜粋)
※ 伐採及び伐採後の造林の届出(森林法第10条の8)
責務
- 森林所有者は、適時に伐採、造林及び保育を実施し、経営管理を行わなければならない。
- 市町村は、経営管理が円滑に行われるよう必要な措置を講ずるよう努める。
森林環境税及び森林環境譲与税の制度設計イメージ
森林環境税及び森林環境譲与税は、温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な財源を、国民一人一人が広く等しく負担を分担して森林を支える仕組みとして創設されました。
- 個人住民税の均等割の納税者から国税として年額1,000円/1人(市町村が徴収)
- 税の規模は約600億円(納税者6,200万人)
- 令和6年度から課税
森林環境譲与税の各年度の譲与額と市町村及び都道府県に対する譲与割合及び基準
令和6年度からの「森林環境税」に先立ち、森林現場の課題に早期に対応する観点から、森林経営管理制度の導入にあわせて令和元年度から「森林環境譲与税」の市町村等への譲与が始まりました。
- 森林環境税の収入額に相当する額を譲与(市町村9/10、県1/10)
- 譲与額は、私有林人工林面積5.5/10林業就業者数2/10、人口2.5/10で按分して算定


